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記事一覧 2025年12月15日

フォークリフトの正しい保管方法と長持ちさせる使い方|故障を防ぐメンテナンスのコツ

フォークリフトは高額な設備投資であり、正しい保管方法と日々の管理が故障予防や稼働率向上、ランニングコスト低減につながります。
本記事では、保管環境の選び方から使用頻度に応じた管理方法日常点検・メンテナンスの実践ポイントまで、長持ちさせるためのコツをわかりやすく解説します。

1. フォークリフトの正しい保管方法

1-1. 屋内保管がベスト

フォークリフトを劣化から守る第一条件は雨・直射日光・ほこり・湿気を避けることです。特にバッテリー式フォークリフトは湿気に弱いため、必ず屋内で保管しましょう。屋内の確保が難しい場合は、屋根付きスペースの確保が重要です。

1-2. 屋外保管の場合の注意点

屋内保管ができないケースでも、次を徹底しましょう:

  • カバー使用で風雨を避ける

  • 均一で水はけの良い地面に設置

  • 定期的に清掃して汚れを落とす

これらは劣化防止に効果的です。

2. 稼働頻度に応じた管理ポイント

2-1. 使用頻度が低い場合

週1〜2回程度しか使わないフォークリフトはバッテリー上がり対策が重要です。
バッテリーの端子を外す、または残量を定期チェックし完全放電を防ぐことで寿命を延ばします。

2-2. 長期休暇前の準備

年末年始・長期休暇前に行うべき管理:

  • 充電(80%以上)

  • 清掃
    走行後や保管前に汚れを落とすことで、サビ・部品摩耗を抑制し、異常発見の機会を増やします

  • 各部の作動チェック

休み明けの故障トラブルを事前に防げます。

3. フォークリフトを長持ちさせる日常メンテナンス

3-1. 日常点検の基本

日々の使用前後で、以下を必ずチェックします:

  • エンジンオイル・作動油

  • タイヤの摩耗

  • ブレーキ・操舵装置の状態

  • フォーク・マストの損傷

異常があれば即対応することで大きな故障を予防できます。

3-2. 定期点検の重要性

月次・年次で整備業者による点検を行うことで、重大な不具合を未然に発見できます。
特に油圧系・電気系・バッテリーは定期的な確認が必要です。

3-3. バッテリー管理の重要性(エンジン式/バッテリー式別)

フォークリフトのトラブル原因として非常に多いのがバッテリー関連の不具合です。
エンジン式・バッテリー式では管理ポイントが大きく異なるため、それぞれ正しく理解することが重要です。

3-3-1. エンジン式フォークリフトのバッテリー管理

エンジン式フォークリフト(ディーゼル・ガソリン・LPG)は、始動用バッテリーを使用しています。
このバッテリーが弱ると、エンジンがかからない、始動が不安定になるといったトラブルにつながります。

主な管理ポイント

  • 長期間使用しない場合はバッテリー上がりに注意
    数週間~1か月以上使用しない場合、自然放電でバッテリーが上がることがあります。
    少し手間ですが、バッテリーのマイナス端子を外して保管することでバッテリーの寿命を延ばすことができます。

  • 定期的にエンジンを始動する
    月に1~2回でもエンジンをかけることで充電状態を維持できます。

  • 端子の緩み・腐食をチェック
    端子の緩みや白い粉状の腐食は、始動不良の原因になります。

  • 寒冷地では特に注意
    冬場はバッテリー性能が低下しやすく、劣化が早まります。

  •  稼働頻度が低い場合は、バッテリー上がり防止が重要です。

     

    少し手間ですが、バッテリーの寿命を延ばすために効果的です。

      

バッテリー液の補充(エンジン式)

エンジン式フォークリフトのバッテリーは、補水が必要なタイプが多くあります。

  • バッテリー液が極端に減っている状態で使用すると寿命が大幅に短くなる

  • 補充する液体は必ず精製水(バッテリー補充液)

  • 水道水は不純物が多く、内部劣化の原因になるため使用不可

  • 補充は上限ラインを超えないよう注意(フロートの位置を見て確認)

3-3-2. バッテリー式(電動)フォークリフトのバッテリー管理

電動フォークリフトは、駆動用バッテリーそのものが心臓部です。
バッテリーの劣化=稼働時間の短縮・交換コスト増につながるため、管理の重要度は非常に高いといえます。

正しい充電・使用方法

  • 完全放電を避ける
    バッテリー残量が極端に少なくなる前に充電するのが理想。
    残量が20%程度まで低下したら、充電するように心がけましょう。

  • 過充電・継ぎ足し充電を避ける
    使用途中での頻繁な継ぎ足し充電は、劣化を早める原因になります

  • 指定された充電器を使用する
    電圧・電流が合わない充電器の使用は重大な故障につながります

  • 高温・直射日光を避けた場所で保管
    高温環境はバッテリー寿命を大きく縮めます

  • バッテリーの接続コネクターを外して保管する
    コネクターを外すのが難しい場合は、残量をこまめに確認し、完全放電を防ぎましょう。
    完全放電はバッテリーに大きなダメージを与えますので要注意です。

3-3-3. 電動フォークリフトのバッテリー液補充の注意点

電動フォークリフトに使われる鉛バッテリーは、定期的なバッテリー液(精製水)の補充が必須です。

補充の基本ルール

  • 必ず精製水(バッテリー補充液)を使用

  • 入れすぎない
    規定ラインまでを厳守。

補充を怠った場合のリスク

  • バッテリー容量の低下

  • 充電時間の増加

  • バッテリー交換時期の早期化(高額コスト)

3-3-4. バッテリー管理を怠ると起こる主なトラブル

  • エンジンがかからない

  • 稼働時間が極端に短くなる

  • 突然の作業停止

  • 高額なバッテリー交換費用が発生

日常点検と正しい補水・充電を行うことで、これらのリスクは大きく低減できます。

4. 失敗しない使用方法(安全・効率)

4-1. 正しい荷重管理

フォークリフトは定格荷重を超えない運用が基本です。メーカー仕様を守ることで、構造的な負担・部品劣化を抑えます。

4-2. 清掃とサビ対策

走行後や保管前に汚れを落とすことで、サビ・部品摩耗を抑制し、異常発見の機会を増やします。

  • 定期的なオイル交換
  • グリスアップの実施
  • ハンドルの末切りを避ける→タイヤの早期摩耗防止
  • 定期的な洗車

年末年始・長期休暇前のフォークリフト点検が重要

年末年始などの長期休暇後に

「フォークリフトが動かない」「バッテリーが上がっている」

といったトラブルは少なくありません。

 休暇前にしっかりと準備を行い、トラブルのない休み明けのお仕事を迎えましょう。

まとめ|フォークリフトは定期メンテナンスが寿命を左右する

フォークリフトは、保管環境・使用頻度に合わせた管理・定期メンテナンスを行うことで、長期間安全に使用できます。

 メンテナンスを怠ると、後々大きな修理費用や稼働停止といった「しっぺ返し」が来ることも。

 ぜひ日頃から点検とメンテナンスを行い、安全で快適なフォークリフト作業を心がけてください。

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